六本木の社畜が代休を駆使して原付で一人旅に出てみた 1日目(山梨県中巨摩郡昭和町→山梨県南巨摩郡南部町)

山梨に帰省していました私です。
社畜というほど働いておりませんが、たまたま消化していない代休が少々あったので、この夏、思い切って1周間まるごと休むことにしました。

その時、私は原付バイクで旅に出かけたのですが、そこで体験したこと、感じたことを思いのままに綴ってみようと思い、書きだしてみました。

夏休み4日目、友達がいないことに気づき独り旅を決意

会社の先輩に「少し長い夏休みを取って、旅に出ます」などと宣言して取った9連休。
本当は、妹や地元の同級生、実家の猫達と思い切り遊ぶつもりで帰ったものの、3日目にして、全日程を消化。
悲しいことに地元に友達がいないことに気づく。正確には数少ない地元の友人はお盆に地元に帰ってきていたが、私が休みを取るころには皆東京に出稼ぎに出てしまった。
それはさておき、9日間もいただいた休みを無為に過ごすわけにはならない。せめて何かアクションを起こそうと思いました。

午前中に以下の案を頭のなかで練った。

  1. 血路を開いて東京に撤退し、出社するか
  2. 死中に活路を見出すべく南進し、海を見に行くか
  3. 死に場所を求めて北進し、墓参りを済ますか

私は第2案を取った。東京に戻って働かずともインターネットにさえ繋がれればなんとか仕事ができること、死に場所を求めるにはまだ若いと思ったことが理由で、消去法的に第2案を取った。

ただの一人旅ではつまらなさそうだったので、釣りをしながら静岡県の伊豆までいくと決めた。

このブログのページビュー、ほぼ釣り系記事が占めてるので

まさかの原動機付き自転車

私は父と母に申し出た。

「3日ほど車を貸してほしい」

父「仕事に使う」(職場は自宅から徒歩5分の場所)
母「ヨガのレッスン行くのに使う」

(´・ω・`)

レンタカーを考えた。しかし、レンタカーを借りるためにはお金がかかることと、何より、車をレンタルできる場所まで実家から原付バイクを使っても30分かかることがネックになった(これを面倒臭がる性格が後の苦労を生み出していることにさきほど気付いた)。

どうしよう。どうしようもない。このまま第1案の東京に帰る作戦に切り替えるか・・・

その時、黒い何かが私の視界に入った。

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忘れもしない、「原付きで東京から山梨に帰る」という投稿。東京は六本木に就職が決まり、手放さざるを得なかったこの愛機は実家で眠っていました。私が大学2,3年?の頃、地元の数少ない友人に譲り受けたHonda Dio。Hondaの原付バイクの中の傑作中の傑作機。
このDioで学生時代、当時住んでいた横浜市青葉区から静岡県の伊豆まで走ったことがあった。これで「山梨→東京」「東京→山梨」も走行した経験があった。

ただし、山梨の実家に放置されていた状態。エンジンがかかるようには思えなかった。キーを指してセルスターターを押す。

無音。

死んでいる。

ですよねーーーーー!!と思いつつキックスターターを蹴ってみる。

ドルルッ・・・

(沈黙)

(お・・・??こいつ、まだ走りたいのか?)

再度キック。キック、キック、

キーーーーッック!!

ドルルン、ドルルルル、

ドルルルルルルルルルルウルルルルル

なんと、エンジンがかかった。

アクセルを回す。怪しい煙は出ない(実は帰省するたびにエンジンだけ回してました)。エンジンオイルは1年前、東京から山梨に乗ってくる前に変えたきりだがいけそうだ。
私は考えつく限りの装備を身につけ、太平洋を目指すことにした。

ルートは以下のように決めておいた。
山梨県中巨摩郡昭和町~山梨県南巨摩群南部町で一泊
南部町〜静岡県西伊豆町

出発から30分で、無謀に気づく

実家に来てから誕生日プレゼントとして買ってもらった45リットルのバックパックに

  • 会社のMacBookPro
  • 私物のMacBookPro
  • つり具ボックス
  • 着替え
  • 3.6m硬調延べ竿
  • その他懐中電灯やら水やら電源やら長靴やら

体感的に10キロ前後の荷物をバックパックにつめて30分走った結果

  • 重心が後ろにズレるので原付の操縦が難しい
  • 背筋がないので持ち上げるのが困難
  • 体重が増えたことになるのでブレーキの制動距離が長い
  • 背中痛い

などなど様々な問題に直面する。手足のように扱えないもどかしさが募る。
背負っている荷物を軽くしてみた。

試しに私用のMacbookを突っ込む。

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わーぴったりー。

いやいやいやいやいやなんか怖いわ

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釣具ボックスとMacBookの電源を入れた。これで多少の軽量化ができた。
そしてバックパックのヒモを緩めた。歩行時はぴったり合わせたほうがいいのだろうが・・・。

これで気を取り直して再度走りだした。

道を間違えるわ、煽られるわ

南に行って海を見ること以外ほぼノープランで始まったこの旅。
同じ山梨といえど南部は知らない。せいぜい身延までしか行ったことがなかった(それも中学2年?を最後に)
南部は身延より山奥の海寄り。

土地勘ゼロ。

田舎特有の交通ルール的なものがある。交差点はなるべくスピードを落とさず曲がる、一時停止も直前までは減速しない、点滅信号はスピードを上げろ、、、などなど。。。

本当に教習所で習った最低限のルール以外は守られていない感じがする。

原付きならば時速30キロしか出せない。とにかく煽られた。目の敵にされてるんじゃないかと思うくらい煽られる。
時速30キロで走っても、後ろの車はピッタリとくっついてくる。。。緊急避難的に加速して最大速力を出してもピッタリとついてくる。
そんな時は左にウィンカーを出し、やり過ごした。

やり過ごしを続ける合間に気づくのが

「この道であっているのか」という点だ。

停止してiPhoneを出し現在位置を確かめると
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本栖湖?!

富士五湖の一つに突入しようというルートになっていた。慌てて道を変える。ここで2時間は時間をロスした。山道なのでガソリンもロス。

そのうちガソリンも1/4にまで減り、不安になる。こういう山道にガソリンスタンドは少ない。
焦りつつ走る。

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あった。

山中でガソスタを発見した時は「地獄に仏」とはこのこと!と思った。

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そんなこんなで南部町を目指して走った。

丸山つり具店

この旅の目的のひとつに「釣り系記事のネタを増やす」というものがあった。

一日一回必ず釣りをしなければならない

という目標を立てた。しかし、釣り針を垂らすだけならすぐにできるので、何かを釣ろうという気概(?)でいた。その時気付いた。

エサもってない

エサがなければ何もつれない。持っているのは3.6mの延べ竿一本と多摩川でハゼを釣るときの装備のみ。南部町の渓流釣りの装備を整える必要があった。そこで、道すがらに釣具屋を見つけて入り、エサを買い求めた。

「うちはアユの友釣り専門で、つり具やエサは売ってない」と言われた。

その場でGoogle検索をかけても他に近そうな釣り具屋はない。途方にくれたその時、そのたまたま入ったアユの友釣り専門店の方が

「橋の向こう、国道52号線を2キロ北上したとこに『丸山つり具店』がある。そこにならあるいは・・・」

と言われたので急行。

iPhoneのマップアプリが狂いまくるなかなんとか発見。しかし、シャッターが閉まっているように見えた。

オワタ

と思ったその時、よく見ると一箇所だけシャッターが開いている。おもむろに中に入る。

「ごめんください」というとなかからかなり年配のおばあちゃんが出てきた。

アユ用の仕掛けがメインで売られていたが、そこまで上級者じゃないので、アマゴ・ヤマメ狙いであることを伝えると、

「初めてだったら玉ウキの仕掛けのセットがいいらなぁ・・・」

6~9月期の富士川水系のアマゴ・ヤマメが好む餌はイクラ、ブドウ虫

とのこと。

3.6mの延べ竿一本だけだとなんだか不安だったので「えーいこの際買っちまえ」と4.5mの延べ竿も購入(数日後、こいつがめちゃくちゃ活躍する)
イクラ、保存の効くブドウ虫、ウキ釣りセット*2、ヤマメ針5号と7号、4.5m延べ竿の購入を決意。

「じゃあ、これだけください」

といったところ

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そ ろ ば ん ! !

まさかのそろばん会計!!今どきこんなものが見れるとは!!しかもそろばんはかなり年季が入ってる。

小学校の時、教養として一応のそろばんを習ったことがあったが、実際の会計に使っているのは生まれて初めて見た。

失礼ながら不安を抱いたのでiPhoneの計算機アプリでこっそり計算。
5570円ナリ。

おばあちゃん「5570円、70円まけて5500円でいいら」

すげー!あってる!(まあそりゃ合ってないと後々困るでしょうが)

わたし「わー、ありがとうございます!そろばんで会計なんて生まれて初めて見ました」
おばあちゃん「レジよりこっちのほうが早いんでね。じいさんがこの店残して死んじまったんさ・・・」

・・・

なんか印象的な言葉でした。

おばあちゃんにはなぜかいろいろ励まされました。

遊漁券を買って、いざ渓流釣りへ・・・のはずが

第1日目の目的地である、富士川水系の一つ福士川の下流にたどり着いたのは17:00も過ぎたころだった。
国道52号、福士川近くにあった金物屋に遊漁券がどこで買えるか聞いたところ、すぐとなりの床屋で買えるということだった。

遊漁券とはその土地の水産物(魚介類や水藻など)をある程度自由に取ること許可されるための券である。。場所によっては必要ないことがあるが、土地によって値段は変わる。
遊漁券の購入費用は土地の水系の保全活動に使われる。渓流やその下流でマスが釣れたりするのはそのお金で毎年放流が行われるからである。

というような話を聞いたことがある。

夕方にけしかけたので床屋のおじいさんは渋った。というのも夕まずめを狙うにしてもキツい時間に来たからだったと思われる。

「この時間に遊漁券を売るのはなんだか忍びねぇなぁ。。。」
とか言われたが
「いいんです、独り身で使い道がないのです。2日分ください」
と言って2日分購入。ちなみに割引がきいて、1200円/日を800円/日で2枚購入。1600円ナリ。

ついでに泊まれるところがあるかを聞いてみた

「さあこの辺も昔は宿屋が多かったんだが、今じゃ数件あるかないかでねぇか」

といって地図をくれた。

読めない。

字が小さすぎるのである。おじいさんも虫眼鏡で見ている。

おじいさん、何回も、「本気で釣るならココ!」といろんな場所に丸をつけてくださる。

でも読めない。

そしてここで知ったのだが、「~沢」とかいうiPhoneマップにもgoogleマップにも載っていないような地名がポンポンでてくる。これは地元の山師?が勝手に?つけている地名があるらしい。中には実際に水が流れていないところもあるが、時期が来ると水が流れだす場所だったり、アユの稚魚の放流の時にだけ水を流す「沢」があるそうだ。

というようなことを床屋のおじいさんに聞いた。

さあいこう。釣ろう。食おう!iPhoneのマップが表示するままに道なりに進んだ。

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おおー、いそう。アマゴ、ヤマメいそう!ワクワクがすごい。

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ジブリ映画「千と千尋の神隠し」に出てきそうな道!この先にポイントがあるのかな!!

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ここ絶対木霊いる。ジブリ映画「もののけ姫」に出てくるあの白い小人の霊。カタカタカタカタッ!!

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待って♡

ここから砂利道じゃん!そう思い、iPhoneを開き、現在地を確認した。

道が違った。確かに県道802号の表記はあるが、途中で道が途絶えている。

しまった、通り過ぎている。

急ぎ山路を戻るが・・・

宿探し・・・苦戦、襲い来る巨大な蛾

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18:00を超え、なおかつ雲行きが怪しい。

そろそろ宿を探すべきだと思い、この日の釣りを断念した。早くも1日目にして「一日一回釣りをする」目標はくじかれた。

宿を探すべくiPhoneで検索、検索、検索・・・

電波がない・・・。電波が入るところまで走る。

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日暮れを迎え、焦燥感が出始める。

検索結果に出てきた近くにあるであろう民宿に電話をかける。

1件目、電話に出ない・・・
2件目、出ない・・・
心細さに襲われる。

時間も時間なのが問題だった。探し始めたのが18:30過ぎ。盆も終わったこのシーズンに客は少ない。すでに受付を終えて寝る支度に入ったのだろうか。

まずい・・・。

床屋のおじいさんが「ここなら泊めてくれるかも」と言っていたところに電話をかけた。

果たして・・・

「はい、○○です」
「あ、あの、き、急で申し訳、ないのですが、今からひ、一人、泊めていただくこ、ことはか、可能でしょうか・・・!」

(本当にこんなしゃべり方になった。多分もっとひどかった。)

「・・・はい、もう食事の支度はできませんが、素泊まりでいいのであれば大丈夫ですよ」

おお!!いってみるもんだ!

早速その宿を目指す。

ぶいーーーんと走っていると、虫が原付のライトに向かって飛び込んでくる。
まあ田舎ならこんなもんだよねー、と思いながら走っていると、
突然、視界の左端にそれまで見たことのない大きさの飛来物が見えた。羽がある。それだけは見えた。

それはまるでスローモーションのようだった(動画を見せることができないのが残念)。

ドンッ

巨大な飛来物は、ライトではなく私の胸板に直撃した。

恐怖が襲ってきた。叫んだ。

しかも、胸板でモゾモゾしている・・・!
何かの生き物が、この薄い胸板を今まさにむしばもうとしている!!心臓を貫かれる!!
この日最大の恐怖が襲ってきた!

停車して、恐る恐るiPhoneのライトを向けた。

なにもいない。身体をブルブル振った。が、なにも落ちない。

飛び立ったのだろうか・・・。
なにもいない・・・。しかしアレは蛾だった。巨大な蛾。たとえ無害であったとしても恐ろしかった。
胸を蝕まれているような感覚は恐怖心から生まれた感触だということにした。

第一日目の宿、そば宿・福いちさんへ

恐怖にまみれながら山路を進んだ。停車してはiPhoneマップを確認し、目的地までの道のりを確認しながら。
その間も巨大な甲虫やら蛾に激突されながら進んだ。正直泣きそうだった。
何度も方角を確認するが、外灯一つない山道で方向感覚がない。もう半泣きで走る。

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キター、明かり!!これぞ目的地!そば宿・福いちさん!!(しかもWordPress…!!)

「すみません、さきほど電話したタケウチですが・・・」
「どうぞ、こちらへ」

地獄に仏である。明かりと屋根。突然の電話でも泊めてくださった福いちさんに感謝!!

荷物を置いて最寄りのコンビニで以下を購入した。

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これくらい旅立つ前に準備しておけよと突っ込みたくなるようなものばかりであるが、電源タップは効率よくスマホやノートパソコンを充電する上で欠かせないアイテムとなった。後にこの時に買ったポケットティッシュが大活躍することになるとはこの時思いもよらなかった・・・。

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めちゃくちゃ大アゴが発達したコクワガタがいた。こんなに立派な大アゴを持つコクワガタは初めて見た。
さすがは南部町。

コンビニで買ったビールを飲みながら、iPhoneで3G回線をテザリングして私用MacbookからFacebookを更新。
ついでに仕事用Macbookから会社で行われているやりとりを追った。

とりあえず山梨県中巨摩郡昭和町~山梨県南巨摩群南部町への移動は完了。
第1日目の日程はほぼ予定どおりに終了。

一人旅の一日目は何度も道に迷ったり、ちょっとしたドラマがあったりで充実した一日だったように思える。

この時はまだ、この一人旅にたくさんの感動や驚きが待ち受けているとは思いもしなかったのである

六本木の社畜が代休を駆使して原付で一人旅に出てみた 2日目午前 に続く>

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