奨学金継続願い

奨学金継続願いの季節。
毎月いくらかの日本奨学生支援機構さんから奨学金を貸してもらっている。返還義務があることを再認識させたり、家計が上向いた場合はこれ以上の奨学金を断ることができる。
僕の家は小さな診療所を営んでいる。
父は医者だ。

当然ながら、「医者は金持ち」という世間一般で言われる常識から嫌がらせも受けてきた。確かに今学費は全て払ってもらっているし、月にいくらかの仕送りももらっている。

しかし、奨学金を借りなければ生活が出来ないのも、また事実だ。

4月から妹二人が大学に通い始める。既に妹が一人厚木の私立大学に通っている。自分だけでも学費、仕送り含め年間200万円かかっていることから、単純計算で800万円以上がかかることになる。
父は医師といえど一度の診察・処置の単価が少ない精神科医だ。年収にして1000万が限界だと言っている。つまり、実家に残る父母、弟は残り200万円で生活することになる。その中から、ローンを支払い、弟の学費が出て行く。

五人兄妹の長男として

今でも時折驚かれるのが、自分が5人兄妹の長男であることだ。
「楽しそう」とか「うるさそう」とか言われる。実際楽しいし、全員集合するとうるさい。自己主張をはっきりと持った奴らばかりだ。
皆それぞれの特技を持っていて、全国レベルの芸術センスを持っている。
長女は高校総合芸術文化祭にて絵画で最優秀賞。次女は写真部門で全国入選、だったか。
三女は男である僕より体格が良く、ソフトボール部では捕手を務め、山梨県代表選手だ。
その下の弟はテニス部でレギュラー選手をしながら中学の成績が全校2位という謎の状況だ。しかも女にモテる。そろそろ僕の身長を追い抜く勢いで成長している。

一番特徴のないのがこの自分ということになる。

大学はそれなりの私立でそれなりの学部。学費は高くもなく、安くもなく、奨学金を借りることで一応健康で文化的な生活を送れている。

4月から仕送りを減らすと宣言された。
仕送りから家賃、水道光熱費、通信費、食費、医療費すべてをまかなっている自分には痛手でしかない。足が出ることさえあったが、それを奨学金でカバーしていた。

友人に聞けば、家賃、水道光熱費、通信費は別口で払ってもらっている一人暮らしが多いということではないか、その上で仕送りをもらい、飲み代に充てる人間もいるということではないか。

医者の息子でありながら小学校~高校までお小遣いは月1500円だった僕は、なんだったんだろうと思う。塾に通わせてくれとせがんだが一貫して拒絶され続けた。ゲームなんて買ってもらえなかった。弟妹は成績がいいので買ってもらいほうだいらしいが。

どう考えても、長男は一番損なポジションなのだ。

しかし4人の妹弟達に囲まれるのは幸せだ。いざとなると頼りにされるし(主にモーニングコール)。しかも皆かわいい。可愛すぎて、変な男にまとわりつかれないか本当に心配だ。長女がストーカー被害にあっていた時は授業も休んで池袋のアパートに張り込んだくらいだ。
彼女らの成長が楽しみで楽しみで仕方がない。

何が言いたいかっていうと、
「奨学金の貸与条件に家族構成が考慮されないのはなぜ?」ということ。
少子化が進んで国内需要は冷え込む一方だ!!と叫んでいる割に、兄妹が多い家庭はかってに苦労してくださいと言わんばかりの矛盾を感じるのです。つまり「子どもいっぱいつくって!でもあとは適当に育てておいて!!」と言っている状況。

奨学金継続願いのシーズンになると毎年こんなこと発信してるんだけど一向に改善されない。
ソーシャルメディアで国を変えるには焼身自殺の映像をネットに流すくらいしないとだめなんだろうか。