「ナニコレ!ヨコハマ?写真&ウォーキング」開催しました ━━WordPress×Junaioの応用事例:反省と考察

23日に写真講座とARをコラボレートさせた企画「ナニコレ!ヨコハマ?写真&ウォーキング」を開催しました。
これまで卒業研究で作ってきたWordPress×JunaioのマッシュアップWebアプリ(笑)の応用的な事例として企画・実施しました。

横浜で街歩きを行う団体「横浜再発見の会」とコラボレーションして企画をしました。
当初は、横浜再発見の会が持つ「知る人ぞ知る横浜」をWebに蓄積し、それをARとして公開し、街歩きの際に観光案内AR的に使ってもらおうという企画でした。
ところが横浜再発見の会から「今度、写真講座を開いて写真のワークショップをやろうと思ってるんだけど、ARとかでおもしろくできないかな」と相談を受け、

「写真のExifにはGPS情報がある」ことを思い出しました。位置情報ベースの拡張現実ではGPS情報が必須です。写真のGPS情報を利用しない手はない、ということでその日のうちに簡単に企画をまとめました。

写真講座×AR化、簡単なワークフロー

写真講座 => 撮影フィールドワーク => 品評会・反省会 => Webで公開 => ARでも公開!
というのがざっとした流れです。

さらに次回の写真講座では蓄積した写真から生成されたARを利用して、他の受講生の撮影したポイントや、アングルを見つける際に利用してもらい、ARに触れてもらうことができます。
この企画を1年間、月に一度開催することで「写真で楽しめる横浜」Webサイトが出来上がるだけでなく、街中に「拡張現実写真ギャラリー」をつくることができるでしょう。

これまでの写真サイトはWeb上においてのみ楽しむことが前提でしたが、このWordPress×ARの仕組みを利用することで写真をWebだけでなくARとしても楽しめるものになります。

というのが今回行った企画の要旨であります。

内容はともかくとして(講座とフィールドワーク自体の評判はアンケート上では予想よりよかったのですが)、いまだに「拡張現実」に関してはまだ謎に包まれている部分が多いようです。というのは「拡張現実(AR)」という言葉を知っていてもそれを実際に自分で使ってみようという人間は少ないです。今回の企画ではある程度の導線を敷いたつもりではありましたが、ほとんどの人がそういった拡張現実アプリに関してはまだ「警戒」している部分があるようです。

例えば「位置情報サービスをオンにする」というスマートフォンには絶対出てくる警告文には必ず「NO」を選択してしまうという人間が多いのが現状です。それゆえに、「Junaio起動したんですけど、何も見えません」という人が大半でした。「位置情報サービスをオン=他人に自分の位置を知られる」というステレオタイプ的な警戒心が強いのが現状です。位置情報ベースの拡張現実には、やはりユーザーオペレーションを要するという結果が見えてきました。これは参加者の年代関わらず、「位置情報」を第三者・サービスに知られることを警戒していることが分かります。それというのも「スマートフォンを使うと情報を抜き取られる」というメディアの情報を信じているケースが多いのかもしれません。実際はどうかわかりませんが、自分の端末の「位置情報」を知られるのは誰でも怖いと思うはずです。なので次回触れてもらう際には、こちらで可能な限り、あらかじめARが見れるように設定をしておいた端末をポケットwifiなりテザリングを駆使してデモ機として運用するのが拡大への近道になるんだろうなーと思います。

今回はあらかじめiPadを用意していたにも関わらず、スタッフ一同イベントの運営に集中してしまってポケットwifiを運用していなかったのはかなり大きな反省点といえるでしょう。一応講座に付随したプレゼンではデモを行いましたが、それだけでは不十分だったのは事実です。

第2に、大きな障害を上げるとすると、「タスクを殺す」「メモリーを開放する」という言葉が一般的な人(特に40代以降)には認知されていないということです。我々20代のようにスマートフォンの出始めから使っている(といっても僕は2009年のiPhone3GSからですが)ような若年層であれば多少は理解できる言葉なのだと勝手に思っていましたが、まだそういったことが不慣れな人が多いのが現状です。

「メモリー解放アプリは入れていますか?」
という問いに対して
「??」
という反応をする人が多かった印象を受けます。

特にAndroidのタスク管理はまだ統一されていない部分が多く、多種多様なタスク管理アプリがあるというのもユーザーの混乱を招いているのかもしれません。実際には2012年現在のスマホユーザーの6割近く(参考資料1:スマホユーザーのOSシェア)はAndroidユーザーだということもあり、端末によってはインターフェースが異なることもあり、また各社独自の改造を加えていたりするために、ARブラウザ自体がうまく作動しないという例も聞きます(研究室の仲間が実際に遭遇した)。
僕はiPhoneをメインで使っているために、iPhoneのオペレーションはなんとかなったのですが、Android端末では端末固有の性能差にバラツキが多いのでそうした問題のオペレーションにはかなり苦労しました。

nielsen-20120627
スマホユーザのOSシェア、日本ではAndroidが6割に迫る ニールセン調査

拡張現実(AR)アプリを使うということは、3Dの描画に消費するメモリが多いのが現状です。さらにカメラを起動しているわけですから普通のWeb系アプリを使うより多くの端末リソースを必要とします。よって今の端末ではメモリ管理が重要になります。

第3に、「スマートフォンのユーザー数がそもそも少ない」、という「そもそも論」が浮上します。2012年3月時点での情報では、携帯端末のシェアでようやくスマホが25%を超えた(参考資料2:スマホユーザー割合25%を超える)という記事があります。加速度センサー、GPS機能、コンパス機能を備えている必要がある位置情報ベースARが普及するにはまだまだ時間を要するのではないかと考えられます。ようやくフューチャーフォンの使い方に慣れてきた高齢者が多い日本では普及にかなりの努力を必要とします。そういう社会構造なので、この国ではやっぱり世界の流行にはついてはまだまだついていけないでしょう。

しかし、スマホユーザの増加率は現在上がり調子でしかないため、いずれはこの問題も解消されていくだろうと考えてます。いずれにせよ、今後タブレットなり、スマートフォンなりの普及が拡大し、今僕が考えている「そもそも論」は解消されていきます。その時はどうか「位置情報サービスをオン」にしてください。

しかし、日本国民すべてがそうした時にはもうすでに世界でGoogleの開発しているProjectGlassのようなメガネ型のスマートデバイスが普及していて、それに関連した開発で盛り上がることでしょう。その時になってようやくうちの研究室が研究テーマとして扱っている「拡張現実」が注目されるはずです。

その時になってようやく僕が進めているような拡張現実の研究は批評されるようになるのでしょう。そうした時代の一歩先を行くという意味で今回の企画、更にはこの研究自体にも大きな意義があるのだと信じて今日も記録を取りました。以上です。

参考資料

参考資料1:スマホユーザーのOSシェア アプリオ

参考資料2:スマホユーザー割合25%を超える CNET JAPAN